高校生まで からだの動きLABO(当時は、ここから屋)で
コンディショニングやトレーニングに来てくれていた
友岡 優仁(マサキ)君が、
進学先のニュージーランドの陸上競技全国大会の10種競技で
準優勝しました。
この大会、優仁君は4種目で自己ベストをマークしたそうですが、
このニュースを聞いて、私が一番うれしかったのは、
ずっと、記録が停滞して悩んでいた100mで、自己ベストが出た
という点でした。
彼のフィジカルコンディショニングに中学生の頃から関わらせて
頂きました。
身長がどんどん伸びて、高校3年生の頃には196㎝までになりました。
体のサイズで、様々な立場の方々が、競技者としての彼に期待をしました。
私が。彼について一番理解していたことは、
彼の外見と内面(脳内の変化)の成長、また、内臓系の充実、
それぞれの成長にタイムラグがあることでした。
それは、身長の高い優仁君に限らず、
まったく反対に、身長がなかなか伸びない選手や、
言ってしまえば、どんなお子さんにもなくはない事象であるということ。
そのことで、競技力に関して悩みが出て来たり、壁にぶつかったりするのは、
誰にでも起こることです。
ただ、そのフィジカル的な状況や状態を、関わる周囲の大人たちが
理解している環境とそうではない環境とを想像すると、
やはり、理解している大人、例えば、家族、指導者がいる方が
客観的に努力の方向性や道筋を、本人が見出しやすいのだろうと思います。
私の親戚の子は、子供の頃に大きな手術をして、その手術による体の状態で、
“からだを瞬時に引いて後ろに下がる”という動作に支障がありました。
指導者は、手術のことを知っていましたが、それが、彼女の競技動作に
具体的にどのように影響しているのかを全く理解していなかった。
結果、彼女はいつもその状態で起こる現象を“失敗”とみなされて、
指導者から怒鳴り続けられていました。
つまり、競技成績云々の前に、
彼女は、“監督から理解されていない”ということについても
指導者と対等な立場でない状況下で克服しなくてはならなかったわけです。
それも人生 と言ってしまえば、そうかもしれませんが、
私はこうした現象に、改善の余地ありだと思うのです。
話を優仁君に戻します。
本人曰く、準優勝したものの、
自分の中ではまだ納得できるパフォーマンスではなかったそうで、
その気持ちを知って、十分に根っこを太くした本人の取り組みが、
今を創ったなあと、感じました。
同時に、私の仕事そのものの全体像を空の上のドローンから
眺めることが出来たような気持になりました。
これからも、
今、地を耕し、根っこを育てている選手たちと大切な時間を過ごしていきたいなあ。
そう、思える出来事でした。